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Channel: 狼男のCafeBohemia
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#1005英国王とソウルキッチンで

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 先日、世田谷の三軒茶屋シネマで『英国王のスピーチ』と、
『ソウルキッチン』の二本立てを観て来た。
この映画館はこれから何度も行くんやろうなぁと思っている。

 映画館で洋画を観るのは久しぶりやった。
二年程前に封切りしたばかりの『ウルフマン』を映画の日に観に行って以来や。
 俺は観に行く映画は圧倒的に今は邦画が多い。
このブログの記事で書かせて貰っている映画の殆どは邦画やったと思う。
洋画嫌いなのか? そういうわけやなく、邦画の方が好きなのは、
やっぱりまだ物語を創って生きて行くことに未練あるからなんやろうね。
字幕で昔の友達がスタッフで頑張ってるのを観て、
自分の不甲斐無さに腹を立てたりしてたけど、
今は穏やかに応援してられるようになった。
俺は今は普通の真面目な介護職員やけど、
物語を創って生きて行くことを諦めたわけやない。
そこに辿り着く道程が違うだけのことさ。

『英国王のスピーチ』はアカデミー賞受賞作。
解説する必要ないほど話題の映画。
第二次世界大戦が始まる直前に、なりたくないのに英国王になってしまった主人公。
彼はスピーチが下手、吃音で普通の会話も苦手で、癇癪持ち。
そんな彼が、開戦スピーチを見事に話すようになるまでの物語。
王として、人間として、伝えたいことがあるから、
その思いを持てた時に、彼はしっかり話せるようになれる。
俺は、作家として、人間として伝えたいことがいっぱいある。
人が、人として思いを言葉で伝えるということはとっても偉大な行為やと俺は思っている。

『ソウルキッチン』はヨーロッパの映画。
俺は二十代後半位の時に、ヨーロッパ映画が好きだった時期があった。
沢山の国が連なり、異なる文化が並ぶ場所。
島国で長い間鎖国していた日本にはない物語表現がある。
大きな倉庫を買ってソウルキッチンという名のレストランを経営していた男が、
失恋したり、兄の借金の肩に店をとられたり、波乱万丈の日々の物語。
波乱万丈の日々の中には一癖も二癖もある仲間たちがいて、
ソウルキッチンにはいつもご機嫌な音楽が流れている。
うん、いいなあこういう作品好きやなぁ。
 俺が劇団時代に上演してきた劇ってあまり場所を移動しない作品が多い。
一つの場所に集まる様々な思いを抱えた人々の物語。
俺の物語創作の原点は『グランドホテル』なのかも知れない。

 名作『グランドホテル』はかなり前に大阪でイベント上映で観た。
映画館でこの作品を観られたことがちょっと俺の年代の映画ファンの中でのちょっとした自慢。
まだ観てないんやけど、最近『グランドホテル』の廉価版DVDを280円で買った。
そのうちここでその作品の話をじっくり書かせて貰いたいと思いながらも、
最近ブログの記事を更新する時間がとれないでいる。
ああ、人生には書きたいこと、伝えたいことが多すぎる。
だからと言って、調子の悪いパソコンに苛々したり、
忙しいことを辛いと思うんやなくて、
俺は伝えたいことがいっぱいあって、全てを伝えきれないでいる生活を楽しいと感じていたい。

 さあ明日も心に優しい言葉を探す冒険に行こう。

 輝樹

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